よくあるご質問

これまでに多く寄せられた質問をまとめてみました。

Q1: DV(ドメスティック・バイオレンス)とは何ですか?

A:日本では、DV(ドメスティック・バイオレンス)について「配偶者(事実婚も含む)からの暴力」と定義しています。しかし、アメリカではもっと範囲が広く、女性・子ども・お年寄り・ペットに対する暴力も含まれています。WNSでは、DVを女性と子どもに対する暴力として位置づけて、被害者支援を行っています。

Q2: 暴力には何が含まれますか?

A:暴力には、身体的・精神的・経済的・性的暴力が含まれます。
どの暴力も被害者を恐怖によって支配し、自尊心を奪い取り、逃げさせないようにするという目的があります。

Q3: 夫や恋人からの暴力は、女性に原因があるのでしょうか?

A:暴力の責任はすべて加害者にあります。加害者が被害者のせいだと言ったとしても、それは責任転嫁をしているにすぎません。周囲の人達が、女性に原因があると言ったり、そう思わせるような態度を取るなら、それは二次被害です。被害者は悪くありません。

Q4:どうしたら彼の暴力を止められるでしょうか?

A:加害者以外の人が暴力を止めることはできません。DV加害者のほとんどは上司や警官を殴りませんし、DV以外の犯罪にかかわることはありません。問題は加害者の考え方です。加害者自身が、女性を殴ってもいいという考え方を改めない限り、暴力が止むことはありません。これは人格を変えるということなので、加害者が変わりたいと思ったとしても、簡単に変わるものではありません。時間もかかります。加害者更生プログラムに参加して身体的暴力はなくなっても、他の暴力によって相手をコントロールする傾向はなかなか変化しないようです。

Q5:DV被害者になりやすい共通のパターンはありますか?

A:共通のパターンはありませんが、共通点はあるようです。それは、結婚前にデート・バイオレンス(交際している相手から受ける暴力)についての知識を十分に持っていなかったことです。デート・バイオレンスの被害は、一般的に考えられているよりも多く、ある統計では、5人に1人が被害を受けているとのことです。デート・バイオレンスとは何か?ということや、結婚すれば暴力はますますエスカレートする、ということについて知っていれば、結婚前に別れることができるでしょう。

Q6:家族(または友人)がDV被害に遭っていて、逃げるように勧めているのですが、
   逃げるつもりがないようです。私に何ができるでしょうか?

A:DV被害者は、暴力を繰り返し受けることによって恐怖感に支配され、後遺症としてPTSDを発症している可能性もあります。心身ともに深い傷を負っている状況で逃げるのは、簡単なことではありません。避難してからも、加害者に見つからないように生活していくのは大変な苦労です。家を出ることがゴールだと思っていても、そこからが長い道のりなのです。
 周囲の人達にできることは、DVについて学んだり、支援団体や病院についての情報を集めたりして、被害者に情報提供することです。被害者は繰り返し暴力を振るわれることによって、自己評価が低くなっていますから、「あなたは悪くない」と伝えるだけでも被害者は力づけられます。大切なのは、周囲の人達が本人の力を引き出すことです。「どうして逃げないの?」と言って批判することは、二次被害であり、「別れなさい」と言って選択を押し付けることは、被害者を萎縮させ、被害者の判断能力を奪うものになります。選択肢がいくつもあることを伝え、本人の選択を応援しましょう。被害者が本来持っている力を信じてそばにいることが、本人にとって何より支えになります。

Q7:加害者から逃げてから加害者と連絡を取りたくなったり、元に戻りたくなったら、
   どうしたらいいでしょうか?

A:加害者である恋人やパートナーは、あなたにやさしく接していた一面もあるでしょうから、反省しているように見えると戻りたくなることもあるかもしれません。そういう時には、「いらないオマケ」がついてくることを忘れないようにしましょう。戻ってからしばらくは、やさしくしてくれるかもしれませんが、また暴力を振るわれることになります。加害者に連絡を取りたくなったら、支援団体の相談電話に電話しましょう。自助グループに参加して、先行く先輩の話を聴くのも有効です。

Q8:精神的暴力とはどのようなことを指すのでしょうか?身体的暴力を振るわなくても、
   それ以外の暴力を振るうタイプの加害者もいるのでしょうか?

A:身体的暴力は振るわなくても、精神的暴力によって相手をコントロールしようとする加害者は多くいます。精神的暴力の場合、被害者も周囲の人達もそれを暴力であると認識することが難しいので、被害が潜在化しやすいといえます。裁判などでも、精神的暴力を証明する際には、大変な苦労が伴います。しかし、夫婦間の精神的暴力について、民事裁判で認められた事例もあります。(離婚事件とは別の、暴力事件としての民事裁判)

■精神的暴力には次のようなものが含まれます。
 ・ 相手の気持ちを無視する
 ・ 相手が最も大切にしている信念・宗教・人種・家族の由来・文化などを
   ばかにしたり、侮辱したりする
 ・ 相手に対する罰として、承認・感謝の気持ち・愛情などをおあずけにする。
 ・ 相手を批判したり、悪態をついたりする
 ・ 相手に対して、公的にも私的にも恥をかかせる
 ・ 相手の行動を左右する
 ・ 相手を脅す
 ・ 相手を友人や家族から孤立させる
 ・ 相手に責任を転嫁する

■精神的な暴力の結果として、被害者に起こる変化は次のようなものです。

 ・ 自分の判断や価値観を疑うようになる
 ・ 自分の意見をだんだん言わなくなる
 ・ 恐怖を感じるようになる
 ・ 家族や友人に会う機会が少なくなる
 ・ 自分の能力に対して自信を失う

精神的暴力も、身体的暴力と同じく被害者にとって心の傷となり、被害者は後遺症に苦しむことになります。

Q9:バタラー(暴力を振るう人)を結婚前に見分けることはできますか?

A:できます。バタラーは結婚前に身体的暴力を振るわなくても、精神的暴力によって相手の自尊心を奪う、という傾向が必ず表れます。大切なのは、交際している間の暴力(デート・バイオレンス)についての正確な知識を身に付けることです。あなたが彼と付き合うようになってから、だんだん自信を失っていたり、自分の意見を言わなくなったりしているなら、精神的暴力の被害者となっているのかもしれません。そのまま結婚すれば、暴力はエスカレートします。バタラーは自己評価が低いので、あなたを傷つけることによって自尊心を保つのです。一緒にいる期間が長いほど、被害は深刻になります。
DVについて知識のない人は、バタラーには無防備な獲物として映り、狙われやすくなります。デート・バイオレンスやドメスティック・バイオレンスについて学ぶなら、バタラーを見分けることができます。

Q10:2次被害とは具体的にどんなことを指すのでしょうか?

A:2次被害とは、被害者から相談を受けた家族・友人・支援者など、本来は被害者の味方になるべき人たちが被害者を責めるような言動をとることです。暴力の責任は100%加害者にあり、被害者を責めるような言動(2次被害)はあってはならないのですが、実際にはたくさんみられるのが現状です。例えば、警察官・弁護士・行政の相談員・医師が、被害者にも落ち度があると言って被害者を責めたり、被害者の意向を無視して選択肢を押し付けたり、という2次被害がたくさん報告されています。加害者の家族だけではなく、被害者の家族までもが被害者を責めることもあります。
 被害者がだれかに相談しても、こうした2次被害が多いために、加害者から逃げたいと思っている被害者が必要な支援を得ることは容易ではありません。2次被害が多いことが、被害者が逃げられない、逃げたとしてもまた戻ってしまう理由の一つとなっているので、これは深刻な問題といえるでしょう。

Q11:アドヴォケートとはどんな支援ですか?

A:アドヴォケートとは、被害者と一緒に、あるいは被害者に代わって事情を説明することや、事務手続きの手伝いなどをすることです。こうした支援を行う人はアドヴォケーターと呼ばれています。DV被害者は、心身ともに深いダメージを受けている状態にあるので、アドヴォケーターによるサポートがなければ、2次被害が発生しやすく、被害者の権利も侵害されやすいというのが現状です。
 アドヴォケーターは、被害者と一緒に行政の窓口・警察・弁護士事務所などへ出向き、被害者と共に、あるいは被害者に代わって事情を説明したり、事務手続きの手伝いなどをして、サポートを行っています。

Q12:自助グループとは何ですか?

A:自助グループとは、DV被害者(DV家庭で育った人たちを含む)が集まり合い、自分たちの体験を語り合うミーティングのことです。ミーティングでは、自分の本名・職業・住んでいる場所などを話す必要はありません。メンバーの話を評価したり、批判したりすることもないので、自分の思いを自由に語ることができます。ファシリテーターと呼ばれるスタッフが、会場の準備をしたり、ミーティングのルールを説明したりして、サポートをしています。

Q13:どうすれば自助グループに参加できますか?

A:参加者の安全のために、場所と日時は非公開となっています。自助グループに参加されたい方は、まずWNSまでご相談ください。面接相談をしてから、自助グループのご紹介が可能かどうかについてお伝えします。

WNSの支援者養成講座では、DVについて詳しく学ぶための講座を開催しています。